関節再建センター

自分の足で一生歩きましょう!

股関節は早ければ小学校入学前から痛みが出現することもあり、その年齢に応じた治療が必要になります。専門的なリハビリなどの治療により、今後の生活の仕方を覚えてもらい、痛みを和らげることを考えます。ただ、それでも痛みがなくならない、日常生活が不便である場合、手術による治療が必要となります。関節軟骨がまだ保たれている状況では、骨切り術(例:寛骨臼回転骨切り術など)、軟骨がすり減った状況では人工股関節全置換術(THA)が主に行われます。このように、長い期間付き合っていかなくてはならない関節を再建する、ということが我々の役目であると考え、関節再建センターと命名いたしました。
関節再建センターでは、股関節疾患に特化した医療(専門の医師・看護師・リハビリテーション)により早期社会復帰を目指した医療を提供しております。筋肉を限りなく切らない負担の少ない手術を心掛け、また、ナビゲーションを用いて人工股関節を正確に設置することで、合併症を減らし患者様に満足していただけるようにしております。また、患者様の社会的背景(仕事をしているため、会社を長くは休めない)や近年の家庭環境の変化(おじいちゃんやおばあちゃんと同居していない、もしくは近くに住んでいないため、長く家を留守にできない、また一人暮らしなのでしっかりリハビリしてから帰りたいなど)にも対応できるよう、患者様の事情に合わせた治療に努めております。そして、手術後も1日6000歩から1万歩を歩けるような股関節にできるよう、お手伝いいたします。
最後に、受診してくださった皆様の気持ちに寄り添い、手術だけに限らない適切な治療方法を共に考えていきますので、どうぞ気軽にお越しください(電話予約可、紹介状なしでも結構です)。

股関節の疾患

変形性股関節症

最終的に軟骨がすり減り、変形した状態のことで、様々な原因により、股関節(足の付け根)に痛みや動かしにくさを感じる病気です。はじめは、立ち上がる、歩き始めに痛みや違和感を覚えます。そして、よくなったり悪くなったりしながら、徐々に悪くなっていきます。
発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)、寛骨臼形成不全、大腿骨頭壊死が主な原因です。股関節は体重を支える大事な関節でありますが、その体重を支える部分が少なく成長したため、またそれが原因で大腿骨の変形も存在することもあり、最終的には軟骨がすり減ってしまいます。

初期
進行期
末期

寛骨臼形成不全

日本人は股関節痛の原因は60~80%が股関節の受け皿の足りない寛骨臼形成不全(以前の名称:臼蓋形成不全)とされており、骨成長の終了する10代後半には、寛骨臼形成不全であるか否かは決定しております。そのため、早い方では10代より股関節痛を自覚します。

一般的には40代より痛みを感じ始める人が多いですが、すでに軟骨がすり減り始めた状態であることも多いです。それは、痛みの程度がそれほど強くないからです。ちょっと違和感が昔からあった、痛かったけど痛み止めでよくなった、など軽度な痛みであることが原因と考えられます。

治療

いずれ軟骨がすり減り変形性股関節症へと進行します。軟骨がすり減り始める原因の一つに筋力の低下があげられます。股関節は20数個の筋肉で動かすとされています。その一つ一つが2足歩行への進化の過程で必要と考えられたため、生き残った大事な筋肉であります。そのため、筋力の低下は関節をゆるくし不安定性を生んでしまいます。そこで、プールでの運動やエアロバイク(自転車こぎ)、ストレッチ(関節の動かせる範囲を保つ)が重要となります。また股関節に近い膝関節や腰も同様に股関節に深く関わっていますので、その状態も重要です。そこで、リハビリテーションに通院していただき、評価をしてもらいながら目標をもって行いましょう!
痛みが強いときは、無理しないことも重要ですが、どういう動作で痛みが出るのか、どうすると痛みがでないのか、を確認してください。痛みの出る動作は避けた方がよいでしょう。夜間寝られない、じっとしていても痛みがあるときは痛み止めを飲んでみることもいいです。ただ、常に痛み止めが必要になったときは、手術も考えた方がよいでしょう。

手術

ナビゲーション

当院ではナビゲーションを使用した手術(人工股関節全置換術・寛骨臼回転骨切り術)を行っております。車のナビゲーションと同じく、目的地に正確に導いてくれるもので、手術中に、人工関節を目標とした位置・角度に正確に導いてくれます。これにより、手術後の合併症を減らすことができます。手術は巧みな技、と思われがちですが、ナビゲーションは1㎜の精度であり、人間が行う正確さの限界を超えた精度を持っています。そのため、我々は基本的にナビゲーションによる手術を心がけております。

Stryker社より提供

人工股関節全置換術(THA)

30年入れ替えの必要のない時代へ
以前は、治療の最後の手段として行われていた人工股関節ですが、現在ではその考え方も変わってきています。人工関節の製品が改良され、ライナーといわれる軟骨の代わりになるものが、削れにくくなったこと、そのため大きな骨頭が使えるようになったため、人工関節の寿命が30年の時代に突入したと言われています。そのため、現在では日常生活を有意義にするために手術される方も増えてきております。

カップ ライナー ヘッド
Stryker社より提供
ステム
Stryker社より提供

人工股関節

骨盤側にカップ、大腿骨側にステムを挿入します。新しい関節面はライナー(軟骨の代わり)とヘッド(大腿骨の骨頭の代わり)の部分です。新しい関節面には神経はありませんので、痛みを感じません。また、2000年以降の新しい構造のライナーが削れにくくなったため、30年近く入れ替える必要がなくなるのではないか、と推測されています。

寛骨臼回転骨切り

寛骨臼形成不全に対する治療法として寛骨臼回転骨切りがあげられます。関節軟骨が十分に残っている方に行う手術方法です。

手術前
手術後

寛骨臼の周りをくりぬいて、回転させて、不足していた外側の被覆を大きくし、正常の形に近づけます。回転させた骨片はスクリューで固定します。リハビリでは、術後2週間は体重をかけることはせずにリハビリし、その後徐々に体重をかけ、約2か月後、松葉杖を外せるようになります(状態によります)。自分の骨で手術できるため、骨癒合(骨がくっつけば)が得られれば、基本的にしてはいけないことはありません(人工関節との違い)。ただ、状況によっては、将来人工股関節になる可能性もありますが、自分の骨で生活できる時間が長くなります。

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